夕城道場というものが天神学園にはある。

瑠璃一味の代で、翡翠とこはくが創設した『剣術部』である。

剣道部と違い、真剣での斬り合い、防具無しの実戦剣術を教授する。

天神学園でなければ成立しない部活だ。

瑠璃達三兄妹も、この夕城道場で数々の技や奥義、極意を習得していった。

そして現在。

夕城三人衆が、ここで汗を流している。

目下の習得科目は、極意・斬鉄。

斬鉄なくして夕城流は語れぬほどに、いまや要の技術となった。

剣術だけならば右に出る流派なく、徒手空拳相手ならば圧倒的有利に立てる夕城流ながら、天神学園に通う夕城流剣士が斬鉄習得必須となったのは、やはり嘗ての丹下 龍太郎と李 龍娘(旧姓)が実戦に組み込んだ硬気功の脅威が大きいだろう。