一方その頃、夕城邸。

嘗て翡翠や瑠璃が暮らしていたこの宗家には、今は真太郎・紫陽花夫妻が暮らしている。

そこに夕城三人衆が厄介になる形。

指南役のエレナが、道場に通っては三人衆の稽古をつけている。

いつものように、宗家の道場で汗を流す3人。

しかし今日は、些か様子が違った。

「牡丹…今なんとっ?」

エレナが険しい表情で牡丹を見る。

「二度言わせるな」

柊片手に、牡丹はエレナを睨んだ。

「小技など必要ない。俺に極意・斬鉄を教えろ」