ディアの言葉に、リュークと美緒は顔を見合わせる。

「だってそうでしょう?リュークは勅使河原家の長男、美緒は勅使河原家の長女として育てられた身。血の繋がりがどうこうは置いておいて、2人とも将軍様の子供として育てられた…ならば兄妹も同然じゃないでしょうか。私と兄様のように」

「偉いぞディア、よく言った!兄ちゃん嬉しいぞ!」

レオに頭を撫でられ、満更でもないディア。

「俺は…」

リュークが小さく呟く。

「将軍や奥方様、そして美緒様を守る為に技を磨いて来たし、これからもそうするつもりだ…美緒様の位置付けがどうあれ、俺が美緒様を守る事に変わりはない」

「私は…」

美緒も言う。

「リューク様を危険から遠ざける為に、姫としての自分を演じ続けていました。その間、将軍様も奥方様も、本当の娘のように私に接して下さって…思い上がりかもしれませんが、私は将軍様や奥方様を、本当の両親のように思っています」