これにて決着。

砂埃の上がる中、龍鬼は完全に力尽きて倒れる。

白に戻った道着は、血と汗と埃で汚れてしまっている。

これまでは、汚れている事さえ分からないほどの黒い道着だったというのに。

発散し切ったという事か。

手に余るほどに溢れ返っていた魔力を。

「うむ。やはり武道家の纏う道着は白に限る」

満足そうに頷くリカ。

「リューク、お前も白道着に着替えるか?」

戦いを2階から見ていたリュークに向かって、リカは言う。

「……いえ」

リュークは静かに首を横に振った。