天神学園のお忍びな面々

一気呵成に攻める龍鬼。

その攻撃は嵐のようでも、暴風のようでもある。

だが、吹き続ける風などないもの。

乱打の一瞬の隙を。

「!!」

リカは足払いで転倒させた後、更に追撃の下突きを放つ。

後掃腿撃地捶(こうそうたいげきちすい)。

鳩尾に深々と拳を叩き込まれ、龍鬼は込み上げるものを必死に堪える。

「立て龍鬼。よもやこれしきという事はあるまい」

構えもせず、龍鬼を見下ろすリカ。

素早く立ち上がった龍鬼は、オーラを纏わせた猛打を繰り出す!

翻子八閃打(ほんしはっせんだ)!

これを。

「そうか、お前は少しばかり中国拳法を使えるのだったな」

リカはまともに受け止める事なく、撓る柳の如く拳を受け流す。

そして。

「だが…翻子八閃打はこう!」

お株を奪う、翻子八閃打!

同じ技でありながら、威力が全く違う!

吹き飛ばされた龍鬼は、窓ガラスを突き破って外に転がり出た。