とはいえ、いつまでもここで大の字になっている訳にもいかず、立ち上がって、校舎の方へとあてどもなく歩いて行く。

廊下を歩き、龍鬼に遭遇してしまった生徒達が道を譲る中、無言のままひたすらに歩き。

「むぎゅっ」

龍鬼は廊下を曲がった所で、白衣を着たおさげの女教師と出くわした。

頭一つか二つは大きい龍鬼の胸に、顔を押し付けてしまった女教師。

彼女はずり落ちた眼鏡を直しながら、見上げる。

「あら~あ?龍鬼君、遅い登校ですねぇ、めっ、ですよぉ?」

そう言って緩々と微笑むリカに。

「ひゃあっ」

龍鬼は右フックを見舞う!

頭を抱え、その場にしゃがみ込んで回避するリカ。

突如としてリカちゃん先生に襲い掛かる龍鬼に、校内は騒然となる。