天神学園のお忍びな面々

美緒が甲斐を連れて向かったのは、天神神社だった。

そう、今は正月真っ只中。

天神地区の神社仏閣は、初詣客で賑わっているのだ。

「正月三が日に初詣に参るというのは、ヒノモトと同じなんですね」

ごった返す参拝客を見ながら、甲斐が呟く。

「文化風習は、天神地区もヒノモトも似ているから、きっとお母様も天神地区が好きになれたんでしょうね」

かく言う美緒も、何処か故郷に似た天神地区は住みよい街だと思う。

古きと新しきが混在した、魅力的な街だ。

「さ」

美緒は甲斐を案内した。

「お賽銭あげて、お御籤引いて、私達の天神での学園生活をより良いものにしましょう」