天神学園のお忍びな面々

美緒は天神学生寮に戻る。

随分夜遅くまで待っていたが、その日、リュークが帰ってくる事はなかった。

「ねえ美緒、元気出して?」

ディアがキッチンで淹れた紅茶を、美緒に振る舞う。

「そうだよ美緒。アイツも突然の事で、まだパニクってるだけだって。頭冷やしたら、また帰ってきてくれるよ」

レオもズズズと音を立てて、紅茶を飲む。

「寂しくないように、俺とディアがここに一緒に住んでやるからさ」

そうすれば美緒と一緒に毎日暮らせるし、という打算もなくはないレオ。

「うん…有り難うレオ、ディア…でも…」

美緒はティーカップを握り締めたまま、俯く。