天神学園のお忍びな面々

その背中に。

「チェェェェェェストォオォオォッ!」

エレナは菩薩を抜刀、有無を言わさず斬りかかる!

躱される、そう思っていた斬撃は。

「!?」

浅くではあるものの、リュークの背中に食い込んだ。

赤道着とはまた別の、濃い真紅の血が滲む。

斬るつもりはなかった。

その事に動揺はするが、ここで怯んではいられない。

「何という体たらくですかっ!」

エレナは声を振り絞って叫ぶ。

「美緒が姫君でなくなったら、もう忠義はなくなるのですかっ!心に決めた女を守るのは、貴方の矜持だと思っていましたのにっ!」