天神学園のお忍びな面々

無言のまま、公園を出ていくリューク。

…そうか。

牡丹の言う通りだ。

自身にも、あのレオやディアのようなグリフィノーの勇者の血が流れているのだ。

将軍家に忠誠を尽くす犬でしかないと思っていた自分からは、想像もつかない話だが。

「甲斐…じゃなかったリューク!待ちなさいなっ!」

名を呼ばれ、リュークは立ち止まる。

…華やかな袴にブーツ姿のエレナが、呼吸を乱してそこに立っていた。

「大体の事情は察してますわっ、何ですか、出生の秘密が明らかになったくらいで狼狽してみっともないっ、寧ろイイトコの生まれで良かったではありませんのっ!」

「…そういう問題ではないのだ。エレナ殿」

それだけ言い残して、リュークは立ち去ろうとする。