「やめて美緒!」

「止せよ!美緒が俺達の前で跪くなんて!」

ディアとレオも、何とか美緒を立ち上がらせようとするが。

「グリフィノー家の御二方にまで、嘘偽りを申し上げた事、お詫びのしようもございません…」

美緒は顔を上げようとしない。

「俺はそんな事気にしねぇよ、オパーイちゃん」

蘭丸が言う。

「俺ぁオパーイちゃんが姫さんだからとか、そうじゃねぇとか、そんな些細な事で掌返すほど小せぇ男じゃねぇんだよ。オパーイちゃんのいい女っぷりは、そんな事で変わるもんじゃねぇ」

「僕も牡丹も、蘭丸と同意見だよ、美緒ちゃん」

椿が牡丹の肩を叩き、牡丹は鼻を鳴らす。

「さあ、立って美緒」

ディアが美緒の手を引いて立ち上がらせる。

「俺達に敬語とか使うの、これからは無しな?美緒」

美緒の背中を叩くレオ。

「あ…有り難う…2人とも…皆も…」

涙ぐむ美緒。