黒剣イクリプス。

この剣の真骨頂は、魔力を流す事で発揮される。

魔力を燃料に、その魔力量相応の炎を立ち昇らせる。

その威力の凄まじさに、レオは戦闘での魔力の大半をイクリプスに注ぎ込むほどだ。

イクリプスの破壊力ならば、小技の精霊術など必要なし。

それ程に、レオはイクリプスに全幅の信頼を置いていた。

故に。

「こいつぁ驚いた」

蘭丸の赤い瞳がギラリと光る。

「随分と相性がいいぜ、テメェ。臥龍相手に炎を使うたぁな!」

炎を纏ったイクリプスを、蘭丸は難なく夜桜で弾き返す!

「コイツ…!」

後退するレオ。

「龍か。龍の化身か!」

「御名答。何だ、人外とも戦い慣れたクチか?」

離れていても熱気を感じるほどのイクリプスの炎を間近に、蘭丸は涼しい顔をする。

「臥龍の血を持つ俺に、炎で仕掛けるたぁ愚の骨頂だぜ!」