早速いいお勉強になりました。

美緒の護衛は、ガチでハラキリできる真性の下僕のようです。

これは迂闊に冗談も言えない。

「全く…ヒノモトも新政府になって十数年、もう武士や侍の時代は終わったっていうのに」

「お言葉ですが美緒様」

甲斐が口を開く。

「確かに武士は士族となりましたが、彼らが培ってきた武士道はいまだ健在です。侍の魂は、時代が変われど生き続けるのです」

「……」

そういう精神論を語るつもりはなかったのだが。

「とにかく」

美緒は振り向く。

「謝るのに切腹とか介錯とか、そういうの禁止!『天神学園は命のやり取りを禁ず』なんだから。郷に入ったら郷に従ってよね」