だが。

「なぁにがいいぞもっとやれだ、理事長?」

それを良しとしない兄貴も、この天神学園にいる。

大振りの夜桜を肩に担ぎ、ズチャリ、と一歩踏み出す男が1人。

「そのオパーイちゃんは、生憎と俺がもう唾つけてんだ。ポッと出の小僧どもは離れな?」

稽古の帰り道に、美緒にチョッカイ出そうと生徒会室に顔を出した蘭丸が、額に青筋立てて言う。

「止しなよ蘭丸、じゃれてるだけじゃないか。坊からも何か言ってやって?」

「興味がない」

椿と牡丹が言う中。

「離れろっつってんだろ、小僧」

蘭丸は切っ先をレオに向けた。

「女同士のハグなら友情って事で見逃してやるが、甲斐以外の野郎が俺の許可なくオパーイちゃんに引っ付いてんのは頂けねぇな」