ダンドリッジと別れ、先輩はいつもの屋上へと向かう。

誰もいない、寒風吹きすさぶ屋上へと繋がる鉄扉を閉じた途端。

「っ……」

先輩は跪き、大きく息を吐いた。

最近とみに、情緒不安定になりつつある。

夕城のあの男…牡丹とやらが吹っ掛けてきてからか。

どうにも抑えが効かない。

赤道着の男…甲斐程度の挑発ならば、どうという事はなかったのだが。

やはりこの体に流れる血にとって、夕城は特別らしい。

今すぐにでもあの3人…とりわけ牡丹を引き千切って、食らい尽くしてやりたい衝動に駆られる。

凶暴な、暴虐の衝動が突き上げてくる。