「昇龍の舞いを見ているかのようですっ…」

ポツリと。

魅せられたようにエレナが呟く。

直後。

「ま!まあまあの技なのですわっ!その程度の技、夕城流ならば容易く返してみせますけどもっ!」

ハッと我に返ったように、付け加える。

「これはエレナ殿、手厳しい」

苦笑いしつつ、甲斐は答える。

コイツ、腹が立ったりしないのか。

「ならば更なる改良と修練が必要か。いや、良き指導感謝する」

全くめげる事なく、甲斐は決め技の反復練習に臨む。