天神学園のお忍びな面々

驚愕する。

アッパーを打ち放った直後の甲斐の体が沈み込んだかと思うと、更に深く低い位置からのアッパー!

跳躍を交えたアッパーは、一撃目よりも遥かに高い威力を秘めていた。

高く、鋭く伸び上がるアッパーを繰り出し、甲斐は着地する。

「……………………甲斐…それ決め技…」

白雪がポツリと呟く。

以前から稽古を繰り返していた、甲斐のフィニッシュブローだ。

本来ならば、敵方とも言うべきエレナの前で披露してはならない筈だが。

「優れた指南役たるエレナ殿ならば、何かよき指導をして頂けるのではないかと思ってな」

何の含みもない、一点の曇りもない眼差しで。

甲斐はエレナの顔を見る。