「最近…」

甲斐が難しい顔をする。

「この森も、あまり秘密の場所ではなくなったような気がするのだが」

「何か不満ですかっ!」

甲斐の背後で、エレナが声を上げた。

「白雪にも許可は得てありますっ、貴方にとやかく言われる筋合いはないのですっ、甲斐っ」

「……」

小さく溜息をついて白雪を見ると、彼女はゆっくりコクコクと頷く。

『甲斐が、森で稽古を積んでいるというので見学したい』

そんな申し出をされ、白雪は(半ば強引に)エレナの見学を許可したのだ。

「そこは俺にも許可を得るべきだろう…」

イマイチ釈然としない甲斐。