天神学園のお忍びな面々

「何だ、エレナ殿。何用か」

「っっっ…」

振り向かれ、凝視されると顔が赤くなる。

「おのれ不埒なっ!」

藪から棒に菩薩を抜刀し、ビュンビュンと振り回すエレナ。

甲斐は抜群の反射神経で回避する。

これも、森での修行の成果。

「何だ何だエレナ殿、決闘ならばせめて学園に到着してからにしてくれ。ここでは他者を巻き込みかねん」

「黙れ金髪舶来イケメンめっ!」

誉め言葉です。

大振りの斬撃を回避した甲斐。

そこに僅かながら隙が生じる。

それを狙って、エレナは飛び道具を投擲!

甲斐はそれを迷わず受け止め。

「ん?」

それがラッピングされた、小さな箱である事に気付いた。

「いつぞやは、私の弁当を誉めてくれたわねっ、有り難うっ!次に会ったら容赦なく斬るっ!」

いや何で?

首を傾げる甲斐を置いて、エレナは走り去ってしまった。