天神学園のお忍びな面々

「ほぉおおぉおう?」

蘭丸が、ニヤニヤと笑いながら美緒を見る。

汗だくだし、耳まで赤いし、酷い辱めに泣きそうになる美緒。

「何だオパーイちゃん、それならそうと言ってくれりゃあ、悪ィようにしなかったのによぉ」

「ち、違います!日頃の感謝の思いを込めただけです!他意はありませんっ!」

蘭丸にズズイと迫られ、美緒はチョコの入った紙袋越しに、彼を押し退けようとする。

「これあげますからあっち行って下さい!」

動物に言うように。

「何だ、ひでぇ言い草だな」

苦笑しつつ、蘭丸はチョコを受け取る。

「仕方ねぇなあ。今日の所は勘弁してやるか。愛の告白受けたその日から、唇奪ったり夜伽の相手ってのも、どうにも節操ねぇからなあ」

「よとっ…!」

思わず3歩後退る美緒。

そしてパラパラと巻き起こる疎らなモブ達の生暖かい拍手。

(ご…)

美緒涙目。

(拷問だ…)