天神学園のお忍びな面々

何とも冷たい受け答えだ。

大方、将軍家という面倒な肩書きから解放されて自由気ままな天神学園ライフを満喫していたというのに、ヒノモトからお目付け役が送り込まれてきた事を面白くないと感じているのだろう。

が、厄介者と罵られても、甲斐に職務を放棄する事は出来ない。

美緒の学園生活、私生活、風呂トイレに至るまで逐一警護の手を緩めず、四六時中張り付いて守り通す覚悟。

「では勅使河原」

椅子の背凭れをギシリと鳴らして、ヴラドは寄り掛かった。

「その犬は貴様に一任する。幸い現在天神学園は冬休み、世間は正月休みだ。適当に案内してやれ」