天神学園のお忍びな面々

「えっ?」

目を丸くして、甲斐を見る美緒。

この、自分と然して年齢も変わらないような青年が、護衛?

「お初にお目にかかります、美緒様」

甲斐が一礼する。

「ヒノモト番犬の甲斐、本日より美緒様の護衛を命じられました。美緒様に迫るありとあらゆる危難を、この命と引き換えに排除する所存」

言葉の後、甲斐は拳を向けた事を一礼で詫びる。

「……」

無言のまま甲斐を見つめた美緒は。

「そうですか、よろしく。天神学園の事は、生徒会長である私に訊いて下さい」

事務的にそう返答した。