「こんなに寒いのに、朝から雪だるまなんて作ってっ!風邪を引いたらどうしますのっ?」

「………………」

「頭にまで雪を被っていたじゃないですのっ!自慢の綺麗な髪がビショビショですわっ!」

「エレナ……おはよう……」

「ええおはよう!でも朝の挨拶は、出会ってすぐにするものですわっ!」

それは、おっとり白雪には無理な注文。

「ともかく!」

エレナは白雪の手を取る。

冷たく冷えてしまった白雪の手に、エレナの温もりは心地いい。

「校舎の方に行きますわっ!ああもう、こんなに冷たくなってしまって!」

「……大丈夫……風邪なんて引かない……」

「そうですのっ?でもその話題は既に終わっていますのよっ!」

エレナに手を引かれて、ポテポテと歩いて行く白雪は、姉に連れて行かれる寝起きの妹のようだった。