「美緒様!」

甲斐が駆け寄ってくる。

「申し訳ありません、俺がついていながら何たる失態…蘭丸、恩に着る。よくぞ美緒様を守ってくれた」

「なぁに、いいって事よ」

言った後、蘭丸はペシッと美緒の後頭部を叩く。

「何やってやがんだ、子供じゃあるめーし。飛び出すんじゃねーよ」

「ご、ごめんなさい…有り難う…」

「そっちも、いいって事よ」

ゲラゲラ笑いながら、蘭丸は歩き出す。

「早く帰ろうや、俺ぁさっきから腹が鳴って腹が鳴っ…」