天神学園のお忍びな面々

「…………」

コクリ。

小さく頷き、白雪は屋上を下りていく。

先輩が特に何かをしようとしている訳ではない以上、逐一監視する意味はない。

先輩にも、不自由な思いはさせたくない。

ただ、最後に。

「先輩のお父様が…たまには授業に出るように言ってた…」

白雪が言伝する。

「ふ」

先輩が思わず笑う。

「あの親父殿の口から、授業に出ろ、とはな。らしくない」

「…………伝えたから」

屋上を下りていく白雪。