「わかっているさ」
先輩は答える。
「この黒い道着も、敢えて周囲に警戒を促す為。この異様な姿ならば、そうは喧嘩を売る者もいないだろう。俺だって窮屈な封印なんてされたくはない」
「……」
何物をも見透かす白雪の瞳が、先輩の眼を覗き込む。
それを真っ直ぐに受け止める先輩。
いつだってそうだ。
白雪は、見透かそうとする。
封印案件たる先輩の性質を見極める為。
そして、先輩の真意を見極める為。
封印案件に選ばれるほどの危険性を持ちながら、この人は性悪ではないのではないかと思う。
悪なのは性質ではなく、生まれ持ってしまった血だけなのではないかと。
先輩は答える。
「この黒い道着も、敢えて周囲に警戒を促す為。この異様な姿ならば、そうは喧嘩を売る者もいないだろう。俺だって窮屈な封印なんてされたくはない」
「……」
何物をも見透かす白雪の瞳が、先輩の眼を覗き込む。
それを真っ直ぐに受け止める先輩。
いつだってそうだ。
白雪は、見透かそうとする。
封印案件たる先輩の性質を見極める為。
そして、先輩の真意を見極める為。
封印案件に選ばれるほどの危険性を持ちながら、この人は性悪ではないのではないかと思う。
悪なのは性質ではなく、生まれ持ってしまった血だけなのではないかと。


