ちょっと腕に覚えはあったのだが、早速自信喪失してしまった。

意気消沈して大人しくなる甲斐は。

「ごめんなさい…転校早々怖い思いさせたわね…」

若く美しい女性に声をかけられる。

「私は学園長の秘書を務めているルナ・ツェペリ…私も母から秘書役を任されて間もないから至らないとこもあるけど…分からない事は何でも聞いて…」

「お気遣い、かたじけない」

一礼する甲斐。

「ではルナさん、早速で悪いのだが」

甲斐は不躾に訊ねる。

「この学園に勅使河原 美緒という女生徒がいる筈。将軍の娘なのです。俺は彼女の護衛でわざわざ留学して…」

「ああ…美緒なら…」