そんな夕城のやべー奴、エレナは。

「これを見るがよいのですわっ!」

机の上に風呂敷包みを置き、それを開く。

「食べ盛り育ち盛り成長盛りの貴方達に、弁当を拵えてきたのですわっ!そこな赤道着や白雪も一緒に是非!」

蘭丸の机が両断された意味は一体。

デデンと三段重に詰められた弁当。

一の重はおむすび各種、二の重はおかず色とりどり、三の重は果物盛り合わせ。

ドジっ子エレナの事だから、どうせ料理なんてドチャクソ激マズだと思っているでしょう?

残念でした。

「…この卵焼き美味いぞ」

牡丹が頂きますも言わずに、手で卵焼きをヒョイと摘まんで口に運ぶ。

「この鶏の照り焼きも手が込んでいるね、美味しいよエレナさん」

椿が照り焼きを頬張る。

「おむすびも…海苔、野沢菜、肉巻き…色々種類が豊富…」

おむすびを口に運んでは、納得の味とばかりにコクコク頷く白雪。