「何しやがんだも酒もないですわっ!」

スックと立ち上がったエレナは、菩薩の切っ先を蘭丸と牡丹に向ける。

「教諭の有り難いお話の最中に居眠りとか酒盛りとか言語道断一刀両断なのですわっ!」

そんなエレナに授業を妨害され、教師涙目。

「椿やそこの赤道着を見習いなさい!こんな退屈な本能寺の変のくだりをドヤ顔で語る教師をも、生暖かい目で見守ってやっているでしょうっ!男子たるもの、このくらいの度量が必要っ!」

貶めるのはやめて差し上げろ。

既にもう授業どころの騒ぎではない。

白昼堂々日本刀持って乱入とか、刃傷沙汰だ、殿中でござる。

そんな中にあって。

「…………………………ハッ」

夢から覚めたように、白雪は我に返った。

「……エレナさん、いつこの教室に……?」

お前マジか。