天神学園のお忍びな面々

「ああ、先輩ね」

男子は言った。

「先輩はこのクラスじゃないよ。そもそも彼は高等部3年だから」

「そうだったのねっ」

エレナはコクコク頷く。

「彼は一体どういう人物なのかしらっ?見ず知らずの人間にすぐに噛みつく者なんて、牡丹か蘭丸くらいしかいないと思ってましたけどっ」

「…先輩はあんまり素性が知れないんだよね」

男子は言う。

「そもそも授業や学校行事にもあまり参加しないし、クラスの出席簿にも名前が載っていないって話だから…本名知っているのは、学園の教師のごく一部だけって噂もあるくらいで」

「成程、大正ミステリーなのですわっ」

大正関係なくね?