天神学園のお忍びな面々

その頃、高等部2年の教室。

「夕城 エレナですわっ!私が来たからには、夕城次期宗主選定の儀はもう安心ですわっ!」

黒板に大きく自身の名を書き、教壇でエレナは声を張る。

「それにしても、何で私だけ教室が違うのかしらっ!三人衆はっ?白雪はっ?私だけ1人なんて、寂しいですわ不安ですわっ!」

とてもそういう風には見えない。

担任に席に座るように促され、エレナはプンスカ怒りながら席の間を通り抜けていき。

「はぁうっ!」

自分のブーツの解けた紐を自分で踏んで転んだ。

顔から転倒した模様。

これは痛い。

「だ、大丈夫かい?」

「痛そう…」

「怪我してないっ?」

教室に入ってからずっと1人で騒々しいエレナに、クラスメイト達が挙って声をかける。