甲斐はその言葉の流れで。

「…お前の刀は?」

背後の牡丹の方を振り向いた。

「いい刀は鍔鳴りだけで分かる」

「……」

牡丹は無言のまま、甲斐を見た。

「貴様、剣術をやるのか?」

「いや、流儀は拳闘術だが…仮想敵として剣術の知識も僅かばかり持っている」

とはいえ、鍔鳴りで牡丹の刀の善し悪しを見抜く眼力は大したものだ。

「…柊だ」

呟く牡丹。

「これまた悪くない銘だ」

甲斐も呟く。

…1つの教室に、血の気の多い男が4人。

不安を覚えたものだが、何とかやっていけそうか。

起きてるんだか起きていないんだか、ボンヤリした瞳のままで、白雪は離れた席から4人の様子を眺めていた。