「…ここは戦場か」

甲斐が絞り出すような声で言う。

…校舎の窓から、黒煙が立ち昇る。

立て続けに2発、爆発音が轟いた。

その爆発に聞こえてくるのは阿鼻叫喚…ではなく、部活や補習に来ている生徒達の歓声。

ここが音に聞こえた天神学園。

人間、異星人、絡繰、魑魅魍魎がひとつ屋根の下で共同生活を営んでいる、地獄の釜の底の底。

まさに聞くもドン引き語るもドン引きの学園。

(確か…アレあったよな、100種類くらい毒蟲を壺の中に入れて食い合わせるっていう…そう、蠱毒)

そこまで思い出して。

(ええい馬鹿者!不謹慎な事を言うな!将軍の母校だぞ!将軍の…母…校…)

自身を窘める甲斐は、語気を失う。

…そう言われれば、蠱毒っぽいな、ここ…。