「あの人達も、甲斐君と同じ新学期からの転校生ね。えーっと…高等部1年の夕城 牡丹君、夕城 蘭丸君、夕城 椿君、それから高等部2年の夕城 エレナさん」

美緒が空で、それぞれの名前を言う。

生徒会長は転校生全員を既に把握済みだ。

「全員同じ姓…姉弟ですか?」

「ううん、夕城っていう剣術一派の人達みたい。天神では有名な一派なんですって」

「剣術一派…」

将軍が天神学園に在籍していた頃には、その一門は然程目立つ事はなかったが、それでも沖田 蒼次郎の愛刀は夕城流の用立てであったと聞いている。

雌伏の時代は過ぎたという事か。