美緒と共に、甲斐は天神学園へと向かう。

本日から新学期。

とはいえ、天神地区に来て以降、学園には何度も足を運んでいる。

慣れた道行きだ。

「しかし…」

通学路に視線を走らせる甲斐。

多種多様な生徒がいる。

肌の色、瞳の色、性別、種族、本当に多種多様。

話には聞いていたが、天神学園はまさしく種族の坩堝だ。

「余所者って認識は必要ないのよ?この学園では、皆『余所者』なんだから」

微笑む美緒。

この学園の生徒会長がそう言うのだ。

何ら臆する事はなかろう。

甲斐は無言のまま頷いた。