業後、先生のところへ向かった。

「先生、来ました。」

『お、来たか。とりあえず、大会議室行こう。』

「はい…」

大会議室の椅子に先生と隣合わせで座る。

『過敏性腸症候群のことについて、授業の合間に調べた。何に悩んでる?』

「どうして、ですか…?」

『お前も調べたんだろ?』

「調べました…」

私は昨日の夜寝る前に、少しだけインターネットで過敏性腸症候群について調べていた。

過敏性腸症候群の主な原因は、ストレス。

腸と自律神経は密接に関わっているから、それが身体に異変を来すと書いてあった。

ちなみに、過敏性腸症候群は下痢型と便秘型、ガス型の3つがあると書いてあり、私は下痢型だ。

『話したくないなら別に良いけど?』

「部活に行きたくない。」

『何で?』

「人間関係、面倒。上手くいかない…」

私は、部活動の人間関係に悩んでいた。

朝の練習は無いけど、業後の練習は遅くまであり、人数も多いから上下関係などの人間関係に悩んでいたのだ。

『そういうことか。何かあるんだろうな、とは思っていたけど、やっぱり部活か。』

「やっぱりって?」

『いや、部活に行くときのお前の顔、いつも元気無さそうだったから。』

先生には全部お見通しだった。

私が部活で何かを抱えていることに、気づいていたのだ。

「先生、ダメ。そんなこと言われたら、涙出ちゃうよ…」

『泣きたいときは泣けばいいんじゃない?…俺、トイレに行ってくるわ。』

そう言い残し、大会議室を出て行った。

私は気が済むまで泣いた。