みんなの心の中で…

「葵、ゆっくり呼吸しよう。
心音聞かせてね」






そう言ってみんなに見えないように聴診器を滑り込ませた。






…………







「みんな、葵ちょと身体が疲れちゃったみたいだからお部屋に戻るね。
葵抱っこしちゃうよ」






そう言って行ってしまった。







俺は、何が起こったかよくわからなかった。








だけど葵ちゃんがあんなに怒った理由が少しわかった気がした。








だから俺は最後の最期の瞬間まで精一杯生きよう。








そう思えたのは紛れもなく葵ちゃんのおかげだ。







普通に生活することの素晴らしさを知れたから…