「葵は、すごく頭が良いんだね」





「もともとじゃない。
でも私をそうしてくれたのは、もう絶対に逢えない私の両親かなぁ」






「どういうこと?
もしかしてもう絶対に逢えないって亡くなっちゃったの?」








「そうだよな。
4年前に2人の男の子を助けてね…」







お父さんとお母さんは、幼かった男の子を助けてまだ13歳だった私をおいてもう絶対に逢えない場所へ行ってしまった。







逢いたいよ。







お父さん、お母さん。








そんなとき私は蓮に抱きしめられた。







「辛かったな。
気づいてやれなくごめんな」






「大丈夫だよ。
2年前に乗り越えたから」







でもそういった葵の瞳から綺麗な雫が落ちた。










やっぱり何年たっても乗り越えられないほどの悲しみだったんだな。