緋衣呂君は言った……
“ 俺たちは、双子だから ”
そう言った意味を知るのは少し後の事だった。
運命が時間を止めようとしている。
緋衣呂君が部屋に戻るように言った。
私は素直に従って、風磨君に支えられながら…
少し眠るよう言われベッドに。
数時間後、部屋をノックする音で気がつき起きて返事をすると緋衣呂君が入ってきた。
「 寒くない?雪が降ってるから 」
雪…
「 緋衣呂君、私 会いたかったよ 」
「 わかってる、おいで… 」
ベッドに腰掛け抱きしめてくれる緋衣呂君。
緋衣呂君…
「 緋衣呂君… キス、してくれる?」
「 しょうがないな、してあげる 」
優しい、優しいキス。
深く、深く…求め合うキス。
恋しくて、抱きしめたくて、やっと……
「 詩乃… 」
私の肌には温かみより冷えて感じる緋衣呂君の体温。
その体温ごと、抱きしめて……
互いを強く思いやる。
「 詩乃… 」
緋衣呂君の声が、囁くように聞こえる。
恋しい声。
初めて… 不器用に繋がる夜。
それは幸せでいっぱいの夜でした……



