さすれば恋となる


どれにしよう、私は兎の絵柄がいいしなぁ

でも 叔父さんとお揃いも捨てがたい……

渋めな箸がいいなぁ 迷う~


あ、そういえば緋衣呂君!



百均を見て回り箸で悩んでいる間に時間が思いのほか過ぎていた。

スマホを見て既読にっているのを見て向きを変えて行こうとすると、目の前に緋衣呂君が見えた。



「 緋衣呂君… 緋衣呂君!」



やだ、私が待たせちゃった?



「 詩乃 」

「 ごめんね! ちょっと見るだけのつもりがつい…… 声かけてくれたら良かったのに 」



は~ いつから待ってたんだろ……



「 箸、いいの?」

「 うん、決まらなくて… またにする 」

「 そっか 」



柔らかな笑みを見せながら、緋衣呂君が私の髪に触れて……

ドキドキする。

こんな緋衣呂君の顔は私だけ…


私だけだよね。