危険地区の中を走って行くと

やはり先程まで集中していないと

本当に聞こえているのか分からないくらい

小さかった心の声が大きくなって行く

「ここを真っ直ぐに行って次を左に曲がるわよ!」

私はその子を助けられるのだろうかと言う不安と

やっと私も能力者になる事が出来た嬉しさで

頭の中がいっぱいだった

その時奥の方から爆発音が聞こえて来る

「爆発!?…やはりここで何か起こっているようだな」

紀戸がそう言うと近づいて行く事に

火事になっている家々があるので

紀戸は炎を操り消して行く

「!!……ここよ!」

急に立ち止まり私は言うが

私達以外誰もいる気配はない

「本当にここなの?」

フローラは辺りを見渡し私に問いかける

「けどここよ……」

『来てくれたんだ…』

「!!…」

背筋が凍りつく程恐怖で満たされた

(何………どう言う事?……)