「お願いだ……団長…どうしても昨日のお姫様を!」
「無理よ!紀戸君がそう言っても無理なものは無理!時夫も賛成らしいけど私達は反対だわ」
「どうしてだ!!団長や時夫は一般人でもしてるのに俺らの時はそんな仕事の都合とか考えなかったのに!」
紀戸は私の目を真剣に見ている
「身分が違うからよ……それにそもそも親の許可おりてるの?」
私がそう言うと紀戸は俯く
「なら…団長や時夫は親の許可……」
「ないわ!…私達の両親はもうとっくに死んでる……これ以上何も言わないで……」
私はこの場から離れる
最低だ……
もっと他に優しい言い方あったはずなのに
紀戸の姿が見えない所まで行くと
私は壁に背を向けもたれかけ
そのまましゃがみ込む
「何があってて何が間違ってるの?…………お父さん……お母さん……」
スカートのポケットの中から私はある物を出す
お守りだ
これは親から貰った大切なもの
「分からないわ……けどね……どうしても怖かったの……入れたとして中国の時見たいになったらどうしよって……」
涙が溢れその雫がお守りに落ちる
「私……ちゃんと団長になれてるかしら……」