俺らは逃げる

一体何処まで逃げれば良いかも分からないまま

「トール!行く宛あるのか?」

「ないよ!…けど……こうする事しか出来ないじゃん!」

俺の手をギュッとトールは掴む

「えっとその…ありがと……トールはさお金の為なのかも知れないけど俺嬉しいよ…助けてもらえて」

俺がボソッとそう呟くと

トールは止まって俺の方を向き

俺の肩を掴んで俯く

「何で……そんなに優しく出来るのさ……僕あんなに冷たくしてたのに…」

そう言ってきたトールに対して

俺はニコッと笑い

「あんなの全然気にしてなかったで!俺はただ人をひと目で悪く見たくないだけ!」

俺が言い終わった時には

トールは涙をこぼしていた

「ありがとう……レオさん……」

「あの~お取り込み中悪いんだけど……追いついたわよ?」

咄嗟に俺は声が聞こえる方を向く

ネイロだ

「かやちゃんは!良喜は!!」

「あの子達が私を倒せるわけ無いじゃない…生まれも育ちも甘ちゃんな奴らに…けど安心しなさい死んでないから」

ネイロはこちらに近づいて来る

俺は少し震えるがトールが小声で

「大丈夫…僕が守るから……」

トールは微笑み俺に背を向ける

「ネイロ!次は僕が相手だ!!」