愛のこんなにも退屈した日々を3年も送っていた。ある日のことだった。



愛は突然立ち上がり部屋を出た。


久しぶりに部屋から出たかもしれない…。
なんだろう、何かを感じる。



気がする________







三成様…




向こうから下を向いて歩いていたのは
三成様…



3年ぶりの再開なのに愛は声をかけなかった。かけることが出来なかった。





「あれ、豊姫…ちゃん?」
「三成様…」


私はそう呟いたあとハッとした。


「…私はお愛の者と申します。
それでは失礼します。」



愛は家康から「自分が元々秀吉の妹である」という事実は隠すように言われていたのであった。




すれ違いざまに愛は腕を掴まれた。

「待てよ。」

「お離しください。」

「豊姫だろ?」

「愛と申します。それでは。」


愛は冷たく言い放つしかなかった。
強く掴まれた三成の腕は離れ自由となった。



ごめんなさい。



愛は心の中で言って去った。