あれから２年が経ち、私、豊姫は16歳となった。
私と三成様の間柄にはほとんど進展がなくムズムズしていた。

そんなある日のこと...
私は考え事をしながら歩いていた。

またー？とか思われるかもだけど...三成様のこと。
どうやって気を引こう。とかあの方は私のことどう思ってるのかななんて考えてた時だった。


私は階段の途中でふわっと体が浮いた感覚がした。


落ちるっ…


そう思った時、ふと温かい温もりを感じた。

｢大丈夫？お嬢ちゃん｣

その声は...


孫市さんだった。

雑賀孫市さん、お兄様のお友達で鉄砲の腕がとてもいいらしい。でも女たらしなところがたまにキズ...



｢ありがとうございます。
もう、離してもらってもいいですか？｣
｢うーん、仕方ないなぁ｣


開放された私は一言｢ありがとうございました。｣と残しその場を去った。