最初はほんの出来心だった。


「明山くんって、私の事好きだよね?」


このときの私は彼氏に浮気されてイライラしていた。


ただ普通に振るのはすごく癪で…負けた気がするから。


だから、浮気をしてやろうと思って…


わたしを好きであろうクラスメイト、明山健をその相手に選んだ。


「え、なに突然。」


なんともないふりをしているけど、目が慌ただしく動いている。


明山健は顔も体格も結構良い。


だけど、女子に冷たいからあまりモテない人。


その代わり、男子からはすごく良いやつ。と人気がある。


彼氏役には充分すぎる人材だった。


今思っても本当に最低な人間だ。


「違うの?なんだ…私は明山くんの事」