この手だけは、ぜったい離さない




更衣室の中に入ると、クラスメイトの女の子たちが「下着可愛いねぇ」とか「何カップあるの?」とかって…。

女子ならではのぶっちゃけトークで盛りあがっている中で、私は隅のほうでひっそりとブラウスのボタンをはずす。



何の柄もない真っ白な半袖に腕をとおし、膝より少し上くらいの丈の紺色のハーフパンツにさっと足をとおした。

まぁ……決して可愛いって言えるような体操着ではないな。



「宇月さんっ」



制服を丁寧にたたんでいると、聞き慣れない声に呼ばれたと同時に、ちょんちょんと肩を叩かれた。



「はっ、はいっ?」



はっと振り返ると、後ろに立っていたのはなんと南海遥さんだった。



ちょっ……えっ、なんで南海さんが私に声をっ⁉



っていうか、南海さん可愛い……!

いつもはおろしている長い茶髪を、体育だからなのか高い位置でポニーテールにしていて可愛いすぎる!



入学式で見かけたときから可愛いなって思っていて、さらには同じクラスと知ってぜひ仲良くなりたいって思っていて。

でも南海さんの周りにはいつも人が集まっているから、話しかける勇気なんかなくて……。



そんな憧れの存在の南海さんがっ……何故わたしに声をっ⁉