広いグラウンドの隅にあるプレハブにむかって、私と追野くんは肩を並べて歩く。
「ごめんね、追野くん。私がひとりぼっちだったから気を遣ってくれたんだよね?」
「あはは……僕の方こそごめん。ひとりでいる子をみたらどうしても声をかけずにはいられなくて……迷惑だったら遠慮なくいってね」
「迷惑だなんてそんなっ‼話しかけてくれて嬉しかったよ、ありがとう」
やっぱり追野くんは優しいなぁ。
女の子たちから人気があるのはもちろん、男の子たちからも慕われている理由がよくわかるよ。
「それにしても、宇月さんって仙崎くんとすごく仲がいいよね?僕、中学は3年間仙崎くんと同じクラスだったけど、仙崎くんが自ら女の子に話しかける姿って見たことないからびっくりしたよ」
「うん、私と洋くんは幼稚園児からの幼なじみなの。昔もまいにち登下校してて、今でも時々一緒に帰ったりしてるんだよね」
ここ数日はみっちゃんと一緒に帰ってるから、洋くんとは一緒に帰ってないけど…。
駄菓子屋さんに行った以来だから、洋くんと帰ったのは1週間くらい前かな?
「なんかそういう関係っていいね。小さいころからずっと仲良しでいられる関係って、なかなかないもんね」


