「ほら、やっぱりそうじゃん‼やっべ、マジ久しぶり!つーかぜんっぜん変わってねぇのな!すぐわかったわ」
私がドアを開けた瞬間、はっと目を見開いたあとすぐさま駆けよってきたこの男……。
今日は入学式だってのに…。
ワックスで先端を散らせたライトブラウンの短い髪は、ところどころに金髪が混ざっていて派手だし。
それどころか右耳に2つもピアスをしていたりだとか、私のような真面目な生徒ばかりの中で明らかに浮いた存在。
「同じクラスに宇月あかりって名前があったから、いつ来るかなー?ってソワソワしてたんだよ‼6年ぶりだな、元気してたか?」
元気してたか、って……。
いやいや私、こんな人知らない…。
ぜったい知らない。
成績、生活態度とともに優秀だったこの私に、ヤンキーの友達なんかいない。