この手だけは、ぜったい離さない




『ごめん。俺…あかりのことが好きなんだ。だから遥の気持ちには応えられない』



なかなか出てこなかった言葉を、こんな形で言うつもりなんかなかったんだけどな…。

これからあかりとアイスを食べに行って、その帰りに告白をしようっていう俺なりの計画があったのに。



『もう勝手にしてよっ!』



遥はそう吐き捨てると扉をバシンと閉めて、俺の前からいなくなった。

遥には申し訳ないことをしたなって思いながらも、そのあとを追いかけることはしなかった。



俺はこれから、あかりに言わなくちゃいけないことがあるからだ。



遥がいなくなった屋上で、あかりは『ほ……本当に?』って泣きそうな顔をして聞き返してくる。



6年前から抱きつづけていた想いを、今度こそちゃんとあかりに伝えるんだ。



『なぁ……俺、昔に比べると少しは強くなったんだよ。だから今度は、俺があかりを守るから』



あかりは涙をぼろぼろこぼしながら俺のことを見上げている。

俺は極度の緊張のせいで小刻みに震える親指で、あかりの涙をそっと拭ってやった。



『だから、俺の彼女になってよ』



やっと言えた……俺はついにあかりに好きだって言ったんだ。



あかりの返事が怖ぇ……。

でも、長年抱き続けていた想いをようやく吐きだせたんだなって思ったらほっとしてしまう俺もいた。